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【探訪】NEOデコラが後押し「自分らしく」
ただでさえ華やかな東京・原宿の竹下通り。月に一度、極彩色があふれる。 「これが私の『カワイイ』の正解」雑踏のなか。NICO(19)は14歳で確信した答えを疑わない。「ネオデコラ」と呼ばれるファッションスタイルは、1990年代にはやった「デコラ」の進化系だ。「装飾的な」を意味するデコラティブ(decorative)を語源とする。 NICOは「NEO(ネオ)デコラ会」を主催している。ネオデコラファッションをまとう「デコラー」が40~50人集まる。これでもかと重ねたネックレス、数え切れないほどのヘアピン、顔には絆創膏…。90年代のデコラは、装飾過多に進化している。 安室奈美恵に影響を受けた「アムラー」、篠原ともえを模倣した「シノラー」。流行はアイコンとともにあった。しかし、デコラーにはアイコンがいない。 NICOは言う。「デコラは仲間から刺激を受け、切磋琢磨(せっさたくま)して発展する。だから自分の『カワイイ』を追求できる」その「カワイイ」に眉をひそめる人もいるかもしれない。NICOはいつも行列の先頭で声をからす。「邪魔にならないように一列で!」 だれの邪魔もしない。そのかわり、だれにも邪魔させない。そんな意志のようなものを感じる。90年代は普及していなかったSNSが海外からの参加者も呼び込んだ。そして、居場所を見つけた人もいる。「隠さずに、自分らしく生きるって決めたんです」 陽光に輝く自作の髪飾り。長田孝太(15)は晴れやかだ。小学4年でゲイだと自覚し、6年で家族に打ち明けた。中学生になってアクセサリーをつけ、SNSで知った原宿系ファッションに夢中になった。「気持ち悪い」。陰口に折れそうになったとき、デコラ会にたどり着いた。「自分らしくいられる貴重な場所です」NICOがつくった交流の場所。それはいま、だれかを守る、よりどころにもなっている。 (岩崎叶汰)
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