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金沢市に上海天長節爆弾事件テロ犯の「尹奉吉記念館」開設計画 抗議活動激化 地元に広がる波紋
1932(昭和7)年に中国・上海で日本軍首脳を死傷させた爆弾テロ事件の実行犯、尹奉吉の追悼記念館の開設が金沢市内に計画され、波紋が広がっている。金沢市など地元は開設にかかわっていないが、開設中止を求める抗議活動が激化。市民生活にも影響が出る事態になっている。 多くの観光客でにぎわう金沢市中心部は30日、機動隊など大勢の警察官が配置され、厳戒態勢が敷かれていた。記念館開設に反対する右翼団体の街宣車70台以上が大音量を流しながら走行。トラブル防止のためにフェンスなどでふさがれた道路では渋滞が発生していた。近くに住む男性(65)は「渋滞でバスが動かなくなって途中で客を下ろしていた。迷惑だ」と憤る。旅行に来たという50代の韓国人男性は「こんな騒ぎになっているなんて知らなかった」と驚いていた。 抗議活動が始まったのは、韓国の聯合ニュースが1月31日、金沢市に尹奉吉の「業績」をたたえる目的で、4月29日に追悼記念館がオープンすると報道してからだ。韓国公共放送KBS元客員研究員、金光萬氏が中心となり、市中心部にある3階建て建物を購入したとしている。 尹奉吉は1932年4月29日に上海で開かれた天皇誕生日の式典で爆弾を投擲し、陸軍大将の白川義則ら要人2人を殺害した「上海天長節爆弾事件」の実行犯。この事件では、先の大戦後、降伏文書に日本側を代表して署名した外相の重光葵も右足切断の重傷を負うなど多数が死傷した。尹奉吉は同年5月に軍法会議で死刑が言い渡されて金沢に送られ、同年12月に24歳で処刑された。尹奉吉は、韓国で初代首相の伊藤博文を殺害した安重根に次ぐ英雄とされる。 開設には地元の団体や関係者は関わっていないが、金沢市には開設に反対するメールなどが届いているという。市の担当者は「許可を出す立場になく、現状では関知できない」としている。今月2日には、在日本大韓民国民団石川県地方本部の壁に、開設計画に反対する右翼団体のメンバーとみられる軽自動車が突っ込む事件が発生した。(大渡美咲)
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